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こんにちは、リーマンリフターのえむです!
2年前にパワーリフティングを始めてから、
エレベーターで一人でいる時はエアベンチをするようになりました。
いつかこの癖治るかなと思っていたのですがまだ治りません。笑
この癖って競技歴長くなっても治らないんですかね?笑
最強リフターから教訓を得よう
皆さんはパワーリフターの大会動画やYouTube見ますか?
私はめちゃくちゃ見ます。
そもそも私がパワーリフティングを始めたきっかけはパワーチューブさんとケータさんで、
動画を見て学んではジムで試す、というのを繰り返していました。笑
5年前初めてパワーチューブさんやケータさんの動画を見た時は、
「なんだこの化け物はw」という感想しか出てきませんでした。笑
今でも良い意味で思ってますが笑笑
時を経て、私もなんとか全日本パワー4位になれるところまで競技に打ち込んできました。
自分自身でもどうすれば強くなれるのか真剣に考え試行錯誤していく中で競技への理解が進み、
今では日本屈指のリフター達が「なぜすごいのか」が少しずつわかってきました。
そこで今回は、
「強い人が強い理由は何なのかを探ろう」
「強いリフターの魅力を知ろう!」
という趣旨で記事を書くことにしました。
私の趣味全開なのでややコアな内容になりますが、
多くの方々にとって重量アップに繋がる内容もあるかと思いますので、ぜひ見てみてください!
今回は初回ということで、私が所属するジムオーナーである山下保樹選手について書きます!

※本記事で使う画像は全て公式HPに載っているものであり、本人の許可を得ています。
山下保樹選手の戦歴
ここからは普段の呼び方でヤスキさんと書きます。
ヤスキさんのプロフィールは以下の通りです。
- 年齢:34歳
- 階級:93㎏級
- 所属:8suki gym(オーナー)
- 主戦場:フルギアベンチプレス
- 主な戦績:世界ベンチ優勝2回、アジアベンチ優勝3回、全日本優勝7回
直近だと2025年の全日本、世界ベンチで優勝しており日本記録325㎏を持っています。
ノーギアも当然強いですが、まさに最強のフルギアベンチプレッサーです。
実は過去にフルギアパワーリフティングにおいても全日本選手権やアジアパシフィックに出場し、
好成績をおさめています。(公式HP参照)
今年から初開催予定である賞金有りの招待制大会「グレートゲームス」の出場選手に選出され、
屈指のパワーリフターでもあります。
波乱万丈すぎる世界一までの軌跡
ヤスキさん程強い人であれば順風満帆で今に至るのかと思いきや、
高校時代に人生の大きな壁に直面した後にパワーリフティングに出会っています。
ヤスキさんはもともと野球ガチ勢で名門校に入学したものの、
高校1年生の秋にPL学園に圧倒的な力を見せつけられて負けてしまい、絶望。
1年冬に高校を辞め、受験資格のある高校が限られる中で受験可能な高校を発見。
それからは必死に勉強し、甲斐あって受験に合格。新入生として入学しました。
ここで、パワーリフティングと出会います。
デビュー戦のフルギアベンチプレスの記録は90㎏だったそうです。
初めから強くはなかった、パワーリフティングに惹かれ夢中でトレーニングを続けたそうです。
高校生のうちに18歳未満の世界大会で3位になったり、
国内の全国大会では優勝3回、準優勝1回、MVP2回というとんでもない成績を残しました。
高校卒業後は就職しようと考え、複数の大学からの特待生勧誘を断りました。
しかし、最終的にはご両親から大学に行ってほしいと思いを伝えられ、
得意の根性で受験勉強に励み、一度特待生勧誘を断った私立大学に一般入試で入学。
高校時代からご両親にお金の負担をかけていることを実感していたヤスキさんは、
授業も真面目に受け卒論もゼミで一番初めに書き上げるほど勉強も真剣に取り組んだそうです。
私は大学時代、1限の必修科目を寝坊しまくってあやうく単位を落としかけたことがあったので、
当時の私にこの話聞かせてやりたいですね・・・笑
大学入学後は脈々と力を付けていき、Jrカテゴリから一般に移行しても成長は止まりませんでした。
27歳の頃にはサラリーマンをしながらジムを開業し、2022年ついに世界チャンピオンになりました!

山下保樹選手の「強さ」に迫る
どのような行動やメンタリティがヤスキさんの強さに繋がっているのか、気になりますよね。
ここからはヤスキさんの強さの秘訣に迫っていきます。
「やるしかない環境作り」と「とことんやる」
「ベンチプレスの趣味の優先順位を一番上に持っていく」
ヤスキさんがベンチプレスが強くなる方法を聞かれた際に、毎回こう答えるそうです。
※YouTube参照
実際自分でジムを立ち上げてベンチプレスをやりこむ環境を作っており、
世界一になっているわけですから説得力しかありません。笑
そして、トレーニングの量が半端ないです。
普段は平日は3時間半、休日は4時間程ジムにいて、
パーソナルやギアの詰め作業がある時以外はずっとベンチプレスをしています。
1日10~20セットを週5~6こなしており、1週間合計で90~100セットやっているそうです。
ずっと高強度というわけではなく、補助種目中心にしたり、スクデッドをやる日もあるとのこと。
普通に今の練習量も常軌を逸しているのですが、
昔はもっと常識離れしており、1日50セットやっていたというのはジム内で有名な話ですw
異常な量の練習をとことんやる、というのヤスキさんの強さの秘訣ですね!
ちなみに8suki gymに入会すると、初めの方は1日最低10セットを強いられます。
まさにパワハラ(物理)です。笑
勘違いされないために補足しますが、10セットしなくても退会とかならないのでご安心を!!
あとヤスキさんは、スクデッドは本当に低重量で数セットしかしてないです。
あの練習量でスクデッドどちらも250㎏扱えるコンディションを維持できているのは意味不明です笑
まさかの「アレ」を履いてトレーニング
ヤスキさんはいつも普通ではあり得ないものを履いて練習をしています。
何かというと、クロックスです。笑

いつもこの青いクロックス履いてます。笑
上の画像の時は足上げで190㎏2発やってます。
たしかに足上げベンチの時は靴何でも良さそうに感じますが、
冷静に考えてブリッジ組む時に足使いますからね、普通に靴重要なはずなんです笑
巷ではリフティングシューズもたくさん発売されており、私もこだわっているのですが、
ヤスキさんは時代に逆行(?)しています笑
あ、さすがにフルギアの時はちゃんとした靴履いてますよ!!
超絶技巧「背中で受けたまま押す」
ここまでヤスキさんの異常さを語ってきましたが、
強靱な肉体だけでなく磨き上げた技術もあってこそ世界一になっています。
ヤスキさんの技術については到底語りつくせないほどありますが、
私が特に思うヤスキさんの超絶技巧は背中で受けるという点にあると思います!
フルギアベンチプレスはノーギア+数十㎏の重量を扱います。
ヤスキさんの場合、ノーギア+100㎏程の重量を扱うことができます。
いわゆる「ギアを効かせる」ことが重要になってくるのですが、
ギアを効かせるには全身とギアが使える最適な軌道で下ろし、同じ軌道で押さなければいけません。
特に押している最中に肩や腕のような小さな筋肉に重量が乗った瞬間、潰れます。
ではどこで重さを受けているのかと言うと、背中なんです。
どうやって背中で受けているかを考察すると、まずラックアップした時に胸の張りはキープしつつ、
バーの重量で肩や背中をシートに押し付ける意識を持ちます。
この時、肩や腕に力む意識はおそらくなく、重量に身を預けるくらいの感覚です。
下ろす際は胸を張りながら背中で引っ張り上半身に窮屈感を作るようにして、バーを下ろします。
切り返す時は押すという意識ではなく、下ろしで作った窮屈感を開放するように押します。

下ろしでバネを縮めて押しで開放する感じ
この時非常に重要なのが、肩甲骨や胸周りの窮屈感を開放しすぎないということです。
簡単に言うと、ブリッジを崩さずそのまま押すことが大事、ということです。
これはなぜかというと、窮屈感を開放しすぎてブリッジを崩すと以下の3つが生じるためです。
- ブリッジが崩れて挙上距離が長くなる
- 下ろす時の軌道=理想的な軌道で押すことできなくなる
- 2が発生することで小さな筋肉に負荷が乗り押せなくなる
特にノーギアでMax挑戦する時のあるあるなんですが、
一気に切り返すためにブリッジを開放してボトムの負荷を逃そうとすることがあると思います。
フルギアでそれをやると、絶対にさし切れません。
理由は先述したように、ブリッジが崩れた途端自身では扱えない負荷が生身に乗るためです。
ヤスキさんは上半身をバネのように扱い、切り返し時に適度に開放することによって、
終始背中で受けながら下ろしと同じ軌道で押せるため、300㎏も軽々差し切れるわけです。

これはフルギアノーギア両方に当てはまる非常に重要な技術だと思います。
色々話してきましたが、要するにブリッジを受けから押し切るまでキープしてみようって話です。
極端な話、受けの時のブリッジが差し切った後にもキープされていれば、
挙上距離が短くて済むことはイメージできると思うので、一旦それを目指して試してみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
とてつもない練習量、屈強な肉体、磨かれた技術が山下保樹選手を最強たらしめています。
エピソードも技術も当然ここに書いた内容は氷山の一角ではありますが、
ぜひ私の師匠でもある山下保樹選手のすごさ、魅力を知るきっかけになれたら光栄です。
普段BIG3を伸ばすための情報を書いていますので、
ぜひ他の記事も見てジムで試してみていただけたらなと思います!
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ではまた~



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